広島市中区舟入 くわはら鍼灸院 院長の桑原です。
今回は季節の変遷による気象病と現在の体質について、簡単ではありますが、お伝えさせていただけたらと思っています。
季節の変遷による気象病の症状とは
「低気圧が近づくと頭痛がする」「気圧や気温の変化が激しい春や秋は体調を崩しやすい」などさまざまな訴えが聞かれますが、日本では1000万ほどの人が、この様な気象病といわれる症状に悩んでいると考えられています。
私たちの体は常に気圧と気温に晒されており、それらが急激に変化する春や秋に体内のバランスを崩しやすくなり、全身にさまざまな症状を引き起こします。
一時的で軽度な症状もあれば外出が困難になるほどの強い症状が現れるなど、日常生活に支障をきたしているケースも多くみられ、症状の現れ方も人によって大きく異なっているようです。
気象病でよくみられる症状を比率の高い順に挙げると、痛み(頭痛が6割)、めまい、だるさ、眠気、吐き気になります。
また、これらの症状を訴える方の統計をみると、圧倒的に女性のかたが多い傾向にあるようです。
気象病が起こりやすい時期について
大気が不安定になり、気圧の変化が大きくなる季節の変わり目の時期、具体的には3〜6月、10〜11月に気象病の症状が出やすくなります。
特に気圧の変化が大きい時期として、梅雨を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は3月も温度、気圧の変動がおおきく、体調を崩す人が一気に増加する傾向があります。
一方で1~2月は気温が低いものの、大気の不安定な状態が長く続くわけではないので、気象病の症状を持つ方でも比較的体調が安定している人が多いようです。
なお、梅雨明けから8月上旬などは夏の間も気圧が安定しているため、体調が安定する人が多い傾向にありますが、台風やゲリラ豪雨といったイレギュラーな要因が、近年増加傾向にある為、十分に気をつける必要があります。
気象病を起こしやすい方の特徴とは
気象病を起こしやすい方は、以下の様な特徴があります。
新幹線や飛行機に乗った時に、耳が痛くなりやすい
乗り物酔いをしやすい
よく耳鳴りがする
耳抜きが苦手、耳が詰まりやすい
肩がこりやすい
首を痛めたことがある
過去に大きなケガをした経験がある
交通事故にあった事がある
むち打ちになった事がある
偏頭痛もちである
暑い時期にはのぼせやすく、寒い時期には冷えを感じやすい
雨が降る前に、眠気やめまいなどを感じることがある
現在の体質からみた気象病への対応
私たちの体は常に大気からの圧力、すなわち気圧を受けているので、体内では気圧に負けないよう外部へ向かってさまざまな部位で圧力が発生しています。
急激に気圧が低下すると体にかかる圧力も低下するため、体内で生じている圧力のほうが高い状態になり、その結果、頭痛、めまい、動悸などのさまざまな症状が引き起こされると考えられています。
実症に分類される体質の方は、この圧力を下げる様な施術、一例をあげると浮腫みをとる様な施術と体幹バランスを整えていく施術を合わせて行っていく事で症状は改善へと向かっていきます。
一方、虚症に分類される体質の方、例えば現在「血虚」の体質の方に上記と同じ様な施術を行うと、ただでさえ不足している「血」を減らしてしまう事になり、逆に調子が悪くなってしまいます。
虚症に分類される体質の方には、食事や睡眠などの生活習慣を見直していただく事も必要になります。
その上で、刺さない鍼治療などを用いて、機能低下を起こしている器官などに対して再活性化を促していくことが、症状の改善を図っていくうえで必要になり、施術期間も長期間を有する傾向があります。